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飼育

野生のボールパイソンは何を食べている?|ナイジェリアの調査では、オスの餌の70.2%が鳥でした

eyecatch

「野生では小型のげっ歯類を食べています」——ボールパイソンの飼育記事でよく見る一文です。この一文がどれくらい当たっているかは、どの個体の話かで変わります。

野生の食性を数えた査読論文で、今回当店が原典にあたれたものは、ごくわずかでした。国際取引の影響をまとめた CITES 動物委員会の資料(2015年)でも、食性の記述は2文と、引用文献1本だけです。その1本が、ナイジェリア南東部で糞と吐き戻しを数えた1998年の短い報告でした。

そこに書かれていたのは、オスは餌の個数の70.2%が鳥、メスは66.7%が哺乳類、そして全長70cmに満たない個体はほぼ小型の鳥(ヒナと若い個体)だけを食べていた、という数字です。哺乳類が中心になるのは、大きく育った個体と、メスのほうでした。

この記事は、その論文の全文と、ガーナで200頭あまりを捕まえた1997年の実地調査報告を原典から読んで、野生の食性について言えることと、言えないことを分けたものです。飼育下の餌の選び方そのものは当店の既存記事と姉妹店にまとめているので、ここでは野生の話が飼育下の判断にどこまで使えるかまでを書きます。

先に書いておきます。この記事は「ヒナや鳥を与えましょう」という話ではありません。その理由も後半に書きました。

目次

  • 野生の食性を数えた調査は、原典にあたれたものが数えるほどでした
  • オスは鳥、メスは哺乳類だった(ナイジェリア南東部)
  • なぜオスとメスで違うのか|木に登るかどうか
  • 「野生の餌12種」の並びは、餌の一覧ではありません
  • 飼育下の餌と、どうつながるか
  • この記事が答えを出していないこと
  • まとめ
  • 参考にした資料

野生の食性を数えた調査は、原典にあたれたものが数えるほどでした

まず、資料の量の話をさせてください。以下は今回当店が探して原典にあたれた範囲で、文献を網羅的に調べた結果ではありません。

CITES の動物委員会に2015年に提出された、ボールパイソンの取引と保全の評価資料があります。ベナン・ガーナ・トーゴからの輸出がほぼすべてを占めること、産地での繁殖状況、資源としての持ちこたえやすさなどを項目ごとに整理した文書です。その中で食性にあてられているのは、「重量のある体つきのヘビの多くと同じく、ボールパイソンは機会主義的な待ち伏せ型の捕食者である。鳥とげっ歯類を食べる(Luiselli & Angelici 1998)」という2文と、引用文献1本だけでした。

同じ資料の表では、食性の幅が「ジェネラリスト」と分類されています。特定の餌に依存していない、という意味で、採取圧に対して持ちこたえやすい側の性質として挙げられています。何でも食べる、という意味ではありません。

もう1つ、ノルウェー食品環境科学委員会(VKM)が2023年に出した、CITES 掲載ニシキヘビ類のリスク評価もあります。ボールパイソンの食性にあてられているのは「Python regius は主に齧歯類を食べる捕食者で、害獣駆除として働くこともあり、地域によっては鳥も食べる」という1文で、出典は Toudonou 2015(上の CITES 資料)と D'Cruze ら2022の2本です。このうち Toudonou 2015 が食性の出典にしているのは、次に見る1998年の論文1本だけです(D'Cruze ら2022の側は当店が確認できていません)。そしてその1998年の論文は、オスの餌の70.2%が鳥だったと報告したものです。

ヘビの食性を世界規模で集めた総説(2006年。著者は Luiselli 本人です)にも、同じ事情が出ています。58種・181集団ぶんの食性データを集めた表の中で、ボールパイソンは2集団ぶんです。産地の欄は「ベナン、ナイジェリア」、主な餌はどちらの集団でも「哺乳類」と分類され、出典は Politano 1985(ニジェール川デルタの動物相を扱ったイタリア語の報告書)と、次に見る Luiselli & Angelici 1998 の2件です。

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この総説の「哺乳類」は、次に見る論文とそのままは重なりません

総説はボールパイソンの主な餌を「哺乳類(全集団)」としていますが、Luiselli & Angelici 1998 の餌を雌雄合わせて数えると鳥51個・哺乳類50個で、ほぼ半々です。もう1集団(Politano 1985)のデータが効いているのか、分類の基準が違うのかは、総説の表からは分かりません(Politano 1985 の原典は読めていません)。総説が併記している重なりの指標(Pianka の重複度)は大きな区分で0.798、属のレベルで0.463。1.00が完全一致ですが、これは「属の46.3%が共通」という意味ではありません。集団間で餌の顔ぶれと構成比が食い違うほど下がる指標です。

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この記事が原典まで読めた資料と、読めていない資料

全文を確認できたのは Luiselli & Angelici 1998(3ページの短報)、ガーナの実地調査報告(1997年)、上記の総説(2006年)、CITES の評価資料(2015年)、VKM のリスク評価(2023年)、トーゴで1,250匹を測った研究(Aubret ら2005年)、ニシキヘビ類の比較研究(Barends & Naik 2023年)です。

読めていないものもあります。Politano 1985、同じ研究グループによる同地域のヘビ群集24種の論文(Journal of Zoology 246巻, 1998年)、そして Luiselli ら2007年の書籍章「Comparative ecology and ecological modeling of sympatric pythons, Python regius and P. sebae」(上記の CITES 資料の文献表にあります)。この3件に新しい食性データが入っている可能性があります。「他に調査が無い」のではなく、「ここで確かめられたのはここまで」として読んでください。

オスは鳥、メスは哺乳類だった(ナイジェリア南東部)

その1本が、Luiselli と Angelici が1998年に出した報告です(Italian Journal of Zoology 65巻2号 183-185ページ)。ナイジェリア南東部、リバーズ州の3か所とアクワ・イボム州(エケット周辺)・クロスリバー州(イツ周辺)で、ボールパイソンの食性を調べたものです。調査の中心は1997年の雨季(7月初旬〜9月下旬)で、1996年9〜10月、1997年4〜5月と11月の記録も足されています。

  • 餌は鳥と哺乳類だけだったオス・メスとも、出てきた餌は鳥か哺乳類のどちらかでした

  • オスは鳥、メスは哺乳類に寄っていたオスは餌の個数の70.2%が鳥(哺乳類29.8%)、メスは66.7%が哺乳類(鳥33.3%)。カイ二乗検定で P < 0.001 です

  • 体の長さでも中身が入れ替わっていた全長70cmに満たない個体は、ほぼ小型の鳥だけ。その中身はヒナと若い個体でした。いっぽう全長100cmを超える個体は、ほぼ小型の哺乳類だけです

  • メスのほうが有意に長かった論文の平均値はオス82.71cm(標準偏差13.69cm)、メス97.70cm(同16.22cm)。一元配置分散分析で P < 0.001 です

ナイジェリア南東部の報告で、餌の個数に占める鳥の割合がオスとメスでどう違ったか

ナイジェリア南東部・1997年の雨季中心の調査で、ボールパイソンの餌の個数に占める鳥の割合を示した図。オスが70.2パーセント、メスが33.3パーセント。オスは餌47個、メスは餌54個の集計で、残りはすべて哺乳類、オスが29.8パーセント、メスが66.7パーセント。どの値も論文の本文に書かれている。体の長さでも中身が入れ替わり、全長70センチ未満は餌のほとんどが小型の鳥でヒナと若い個体、全長100センチ超は餌のほとんどが小型の哺乳類だった。出典はLuiselliとAngeliciの1998年の報告で、オス29頭・メス33頭から、糞の分析と、生きたまま吐き戻させた餌を数えたもの。1地域の標本で、種全体の値ではない。

体の長さの境目について、ひとこと添えます。70cmと100cmは論文が結果を述べるときに使った区切りで、どこで切り替わるかを解析して求めた転換点ではありません。また、性別の差と体長の差を切り分けて検定した結果でもありません——オスのほうが短いので、2つの傾向は重なっています。

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この平均値が全長なのか、吻端肛門長なのかは書かれていません

論文の方法の節は吻端肛門長(SVL)と尾長を別々に測ったと書いていますが、結果の節に出てくる平均値(82.71cm / 97.70cm)がどちらの値なのかは明記されていません。いっぽう餌が入れ替わる境目のほうは「全長(total length)」と書き分けられています。この2つの数字を足したり引いたりはできません。当店のオスとメスの違いの記事で扱っている雌雄差の数字とも、測った対象が違う可能性があります。

糞と、吐き戻させた餌を数えています

調べ方は、糞の分析と、生きた個体に餌を吐き戻させることの2つです。捕まえた個体の腹をやさしく触って吐き戻しか排便を起こし、出てきたものを数えて、そのあと同じ餌をもう一度飲ませています(飲み直さなかった分だけアルコールで保存)。論文は「この調査で殺したり傷つけたりした個体はいない」と明記しています。捕獲は手取りのほか、落とし穴・誘導柵・地面に置いた板の下の確認です。ただし101個のすべてが著者らの触診から出たわけではありません。方法の節には、地元の人が捕まえた個体や、ブッシュミートの市場で取引されていた個体も調べたこと、さらにポートハーコート大学の Akani 教授から提供された食性の記録も加えたことが書かれています。

  • 調べた個体オス29頭・メス33頭。再捕獲があるので、餌を調べた延べ回数はオス38回・メス49回です

  • 餌が取れた割合糞からはオスの94.7%(36/38)・メスの85.71%(42/49)で餌が取れたのに対し、胃から取れたのはオス11回・メス12回。著者らは「アフリカのニシキヘビの食性を調べるなら、胃の中身より糞を見るほうがずっと効率がよい」と書いています

  • 集計した餌の個数胃と糞を合わせてオス47個・メス54個の、合計101個です

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論文の割合の1つが、自分の分母と合いません

胃から餌が取れた割合を、論文はオス28.94%・メス28.57%と書いています。オスは 11÷38=28.95% とほぼ一致しますが、メスは 12÷49=24.49% です。28.57% は 12÷42 と一致する値で、42 は糞から餌が取れた延べ回数のほうです。著者が何を分母にしたのかは本文からは分からないので、この記事では割合ではなく実数(11回・12回)のほうを載せました。

胃と糞では、餌が取れた量が3倍以上違います。ここは結果の読み方に効きますが、論文の該当箇所は「胃と糞の両方で見つかった餌の割合を比べたところ有意差は無かった(いずれもカイ二乗検定で P > 0.6)。したがって摂食率は雌雄で実際に似ていた」という書き方で、何と何を比べた検定なのかが読み取りにくい文になっています。分割表も載っていません。

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糞への残りやすさそのものは検討されていません

糞に残るのは羽や毛や骨です。101個のうち64個は「鳥(種不明)」「哺乳類(種不明)」で、そのほとんどが糞から出た分です(1個だけ胃から出ています)。鳥と哺乳類で糞への残りやすさが違えば、割合はそのぶん偏りえます。上の「有意差なし」は、羽と毛の残存性の違いを潰した検証ではありません。そもそも有意差が出なかったことは、同じであることの証明にもなりません。70.2%という小数第1位までの数字を、そのままの精度で受け取らないでください。

出てきたのは、ヨウムの幼鳥からガラゴまで

論文の表Iには、餌が種名・属名・科名まで載っています。鳥が8項目、哺乳類が9項目、それに「鳥(種不明)」「哺乳類(種不明)」としてまとめられた分が加わります。

ただし、同定の細かさはそろっていません。101個のうち、属名か種名が書かれているのは22個(後述のとおり、うち1個は属を確定できない綴りです)。科までが15個で、残り64個は「鳥(種不明)」「哺乳類(種不明)」です。科までしか分かっていない項目は同じ表の別の行と重なっている可能性もあるので、「17種がいた」とは読めません。

ナイジェリア南東部のボールパイソンから実際に出てきた餌101個の内訳

ナイジェリア南東部で1997年の雨季を中心に行われた調査で、ボールパイソンから出てきた餌101個の内訳を、論文の表Iから起こした図。両性とも餌は鳥か哺乳類で、両生類・爬虫類・昆虫は1個も出ていない。鳥は51個で、オスの餌が33個、メスの餌が18個。オス側の内訳はTurtus属(綴りは原文ママ)1、ハト科6、ヨウムの幼鳥2、ハチクイ科1、Sylviidae(当時の広い意味でのムシクイ類)2、タイヨウチョウ属2、ムクドリ科1、ハタオリドリ属2、鳥(種不明)16。メスの鳥18個はすべて種不明で、種や科まで分かった鳥はすべてオスから出ている。哺乳類は50個で、オスの餌が14個、内訳はジネズミ属1、ホシフクサマウス2、デミドフコビトガラゴ1、種不明10。メスの餌が36個、内訳はケンショウコウモリ属2、アフリカシタナガフルーツコウモリ1、サバンナアフリカオニネズミ1、ヤワゲネズミ属の1種(Praomys tullbergi)3、ネズミ科5、ホシフクサマウス3、ウスゲアブラヤシリス1、種不明20。論文の考察はオスの餌に樹上の動物(鳥・リス・ガラゴ)が多いと書いているが、表Iではそのリスはメスの胃からの記録で、表と考察が食い違っている。木の上で暮らすオオコウモリ2分類群も表ではメス側だが、考察はコウモリを挙げていない。101個のうち属名か種名が書かれているのは22個(属を確定できないTurtus表記の1個を含む)、科までが15個、残り64個は種不明。

げっ歯類だけではありません。オオコウモリの仲間が2分類群(ケンショウコウモリ属 Epomophorus sp.、アフリカシタナガフルーツコウモリ Megaloglossus woermanni)、ウスゲアブラヤシリス(Protoxerus stangeri)、そしてデミドフコビトガラゴ(Galagoides demidoff)——手のひらに乗る大きさの霊長類まで入っています。鳥のほうにも、アフリカの代表的な大型インコであるヨウムの幼鳥(Psittacus erithacus juv.)が出てきます。

残りの顔ぶれは、鳥がハト科(Columbidae)・ハチクイ科(Meropidae)・Sylviidae(1998年当時の広い意味での「旧世界のムシクイ類」。現在の狭い意味の Sylviidae=ズグロムシクイ科とは範囲が違います)・タイヨウチョウ属(Nectarinia sp.)・ムクドリ科(Sturnidae)・ハタオリドリ属(Ploceus sp.)、哺乳類がジネズミ属(Crocidura sp.)・サバンナアフリカオニネズミ(Cricetomys gambianus)・ヤワゲネズミ属の1種(Praomys tullbergi。GBIF の和名は「ガボンヤワゲネズミ」ですが、国内で定着した和名は確認できませんでした)・ホシフクサマウス(Lemniscomys striatus)・ネズミ科(Muridae)です。

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表の1行目の属名が、確認できない綴りです

鳥の先頭行は Turtus sp. と印刷されています。この綴りの属は確認できませんでした。ツグミ属(Turdus)の誤植とも、アフリカのハト科であるアオフバト属(Turtur)の誤植とも読めますが、訂正が出ているかどうかも確認できず、当店が決めることはできません。原文の綴りのまま載せ、和名は付けませんでした。

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「ヤワゲネズミ」は、同じ属とは限りません

この論文に出てくるのは Praomys tullbergi です。いっぽう日本で餌用に「アフリカンソフトファーラット」「ヤワゲネズミ」と呼ばれて流通しているのは、多くが Mastomys natalensis で、属が違います。「野生の餌そのものだから食いつく」という説明の裏づけには、この表は使えません。

当店の拒食の記事にも「現地(野生)のボールパイソンが食べていると言われている」という書き方があります。今回の確認では、その言い方を支える記録は出てきませんでした。餌を替えてみること自体を否定するものではありませんが、理由づけとしては使えません。

この一覧で、もう1つはっきりすることがあります。両生類・爬虫類・昆虫は、101個の餌のうち1個も出ていません。カエルもトカゲも、この調査では餌として記録されていません。

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「出なかった」と「食べない」は別です

ここで言えるのは「この調査の101個には入っていなかった」までで、「ボールパイソンは両生類や爬虫類を食べない」ではありません。まれにしか起きない捕食は、101個の中に現れないことがあります。食べないと明記した一次資料も、今回は見つけていません。

なぜオスとメスで違うのか|木に登るかどうか

著者らの説明は、オスのほうが樹上を使う度合いが高いというものです。論文が根拠として挙げているのは2つです。

  • 木に登っていた個体の数オス14頭に対し、メスは2頭でした。ただしこれは見かけた個体数で、1頭あたりどれだけの時間を樹上で過ごすかを測った値ではありません

  • オスの餌に樹上の動物が多いこと考察は、鳥に加えてリスとデミドフコビトガラゴをオス側の樹上性の餌として挙げています

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その2つ目が、同じ論文の表と食い違っています

考察はリスをオスの餌として挙げていますが、表Iでは Protoxerus stangeri(ウスゲアブラヤシリス)はメスの胃から出た1個として記録されています。オス側に入っている樹上性の哺乳類は、デミドフコビトガラゴの1個だけです。木の上で暮らすオオコウモリ2分類群も表ではメス側ですが、こちらは考察が挙げていないので、食い違っているのはリスの1個です。この論文だけでは、表と考察のどちらが正しいかを決められません。当店は表のほうを図に起こしました。

さらに、この説明には著者ら自身がブレーキをかけています。論文の考察には、「ヘビにおいて、樹上性と鳥食いはつねに相関する事象というわけではない」という一文が入っていて、別の3本の文献が引かれています。そして餌の顔ぶれについては、「デミドフコビトガラゴを除けば、出てきた哺乳類はどれも調査地域の森林生態系でありふれた種である。したがって、このヘビの捕食行動の本質は機会主義だと考えられる」と結んでいます。

注意したいのは、この「機会主義」も、測って確かめた結論ではないことです。オスがいる場所に鳥がどれだけいるか(利用可能な餌の量)を測り、それに対する選択率を出した研究ではありません。「オスは鳥を選んでいない」と示したわけでもない、ということです。

この樹上性の仮説は、その後も著者本人によって押し進められています。2006年に Amphibia-Reptilia 誌に出た短い論考で、Luiselli はトーゴで報告されたダニの付着量の雌雄差を取り上げ、既発表の食性データに加えてラジオトラッキングの記録を根拠に、「オスは地面に加えて低い木の枝からもダニを拾うため」という説明を提案しました。食性の差とダニの差が、同じ「どこにいるか」で説明されているのがこの議論の形です。

ただし、その相手の論文は、別の説明を出しています。Aubret らがトーゴのロメ周辺で1999年1月から2000年6月にかけて行った2005年の研究です。測ったのは1,250匹ですが、内訳は野外で捕獲した成体576匹・幼体69匹と、捕獲した抱卵メスの卵を飼育下で孵化させた新生仔605匹。ダニの比較に使われたのは野外個体です。ダニの数は成体のオスのほうが多く、著者らはその理由をこう書いています。

「今回の野外個体はすべて同じ場所で捕獲されており、オスとメスはふつう巣穴を共有している。したがって、ダニの数の差が生息場所の使い方の違いによるとは考えにくい」——そのうえで、繁殖期にオスがメスを探して動きまわること、逆にメスは2か月の抱卵のあいだほとんど動かないことを挙げ、「成体のオスは移動のあいだにダニにさらされやすいのだろう」としています。

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2つの説明は、まだ決着していません

Luiselli(2006年)は樹上性の違いで、Aubret ら(2005年)は繁殖期の移動量で、同じダニの差を説明しています。どちらが正しいかを決めた研究は、今回は見つけられませんでした。なお Luiselli の論考は要旨しか読めておらず、根拠に挙げられているラジオトラッキングの中身も確認できていません。先ほどの CITES 資料が「とくにオスが、夜はより樹上のニッチを使う」と書いているのも、出典は同じ1998年の論文です。

木に登ること自体は、別の調査にも記録があります。1997年のガーナの実地調査では、巣穴の外で見つかった個体が3頭だけで、そのうち1頭はマンゴーの木の上にいました(残りは開けた草地と溝の中)。ただしこの3頭を「オスだから登った」の証拠には使えません。報告の本文は3頭とも雄としていますが、巻末の計測表では性別が食い違っており、報告自身が性別の判定を少なくとも2回取り違えたと認めています(47番は雄として記録したあとに無精卵を6個産み、175番は妊娠中の雌として記録したあとにラットを吐き戻しました)。ここは数と場所だけを受け取るのが安全です。

トーゴの農地では、別のチームが「齧歯類が主な餌」と書いています

同じ Aubret らの2005年の論文に、食性についての一文があります。調査地を説明する節で、「これらの畑には齧歯類もいて、ニシキヘビにとっての主要な食物源になっている」と書かれています。

これは数えた結果ではなく、現地で調査したチームの記述です(出典も付いていません)。それでも、ナイジェリアの数字と並べると見えてくることがあります。

  • 場所が違いますナイジェリアの調査地はキャッサバとアブラヤシの栽培地に囲まれた、常時冠水する湿地林のパッチと乾地の雨林のパッチ。トーゴの調査地はロメ周辺の二次林の林間にある小さな畑(キャッサバ・ヤムイモ)です

  • 書いていることも違いますナイジェリアではオスの餌の70.2%が鳥。トーゴでは齧歯類が主な食物源。ただしトーゴ側は数えていないので、この2つは地域差を比べた結果ではありません。場所も、記述の性質も違う、というところまでです

「野生では齧歯類」も「オスは鳥が7割」も、それだけで種全体の話にはなりません。この種は西アフリカから中央アフリカまで広く分布していて、当店が原典で内訳まで確認できた調査は、そのうちの1地域ぶんです。

野生での居場所そのものについては、当店の野生のボールパイソンはどこにいるかの記事に分布・生息環境・採取の話をまとめています。ガーナの報告は「ボールパイソンはネズミの巣穴とシロアリ塚で見つかった」と書いています。その穴が何に使われているかを明記しているのは、先ほどのトーゴの研究のほうです。「日中のほとんどを齧歯類の巣穴やシロアリ塚で過ごし、繁殖するメスも抱卵のあいだそこを使う」——つまり隠れ場所であって、そこで狩りをしていると書かれているわけではありません(シロアリ塚のシロアリが餌だという話でもありません)。

「野生の餌12種」の並びは、餌の一覧ではありません

ここからは、よく出回っている情報のほうの話です。

先ほどのガーナの報告には、ネズミ類12種の名前が並ぶ一節があります。アフリカオニネズミ、クマネズミ、ホシフクサマウス——といった顔ぶれです。これを「野生の餌のリスト」として読むと、間違えます。

報告の本文はこう書いています。「ガーナの農地に生息することが知られているネズミ類の害獣には、次のものが含まれる」——出典はクマシの科学技術大学・再生自然資源研究所の未公表資料と明記されています。ヘビの胃や糞から出てきた種のリストではありません。しかも「含まれる」という書き方なので、12種で網羅という意味でもありません。

同じ報告には、もう1つ紛らわしい並びがあります。「ボールパイソンが入っていた巣穴に付随する動物相には、次のものが含まれた」——オオマイマイ、ヒキガエル(Bufo sp.)、カエル、ヤモリ(Hemidactylus sp.)、赤い尾のスキンク、サソリ(Pandinus sp.)、オオムカデ、ヤスデ。これも餌の一覧ではなく、同じ穴に居合わせた動物の記録です。

ガーナの報告にある、餌の一覧と紛らわしい2つの並び

ガーナの報告のなかの、餌の一覧と紛らわしい2つの並びを示した図。どちらもヘビの胃や糞から出た動物の一覧ではない。1つ目はネズミ類12種の並びで、報告の本文はガーナの農地に生息することが知られているネズミ類の害獣には次のものが含まれるとして12種を挙げ、出典をクマシの研究所の未公表資料としている。アフリカオニネズミ、クマネズミ、ホシフクサマウス、ヤワゲネズミの仲間(Praomys tullbergi と Mastomys natalensis)など。2つ目は巣穴で一緒に見つかった動物で、報告の本文はボールパイソンが入っていた巣穴に付随する動物相には次のものが含まれたとして、オオマイマイ、ヒキガエル、カエル、ヤモリ、赤い尾のスキンク、サソリ、オオムカデ、ヤスデを挙げている。数えられた餌のほうは、ナイジェリア南東部で1997年の雨季を中心に糞と吐き戻しから数えた101個がすべて鳥か哺乳類で、ガーナ報告で餌そのものが分かるのは捕獲後に吐き戻した数頭ぶん、記録はげっ歯類・ラットまで。どちらも番号付きの表ではなく本文中の列挙である。

同じ報告で餌そのものが確かめられたのは、捕獲後に吐き戻した数頭だけです。記録は「げっ歯類」「ラット」という大まかな書き方にとどまり、種名はありません。

この12種は、ボールパイソンが暮らす農地にどんなネズミがいるかを示す資料としては有用です。餌として記録された、と書き換えてしまうと、根拠が1段ずれます。

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誤読されやすい配置ではあります

12種を挙げる直前に、報告はこう書いています。「ロイヤルパイソンは、齧歯類の害獣を捕食することで西アフリカの農地に適応した種である」。要約でも「ロイヤルパイソンの経済的な重要性は、何よりも齧歯類の害獣を抑える役割にある」としています。この文脈に12種を置けば、読む側が「このヘビが食べている害獣の一覧」と受け取りやすくなります。報告が12種すべてを捕食の確認済みとして扱っているわけではありませんが、誤読されやすい配置ではあります。なお、どの日本語・英語のページがこの12種をどこから引いたかまでは追えていないので、来歴そのものは断定しません。

飼育下の餌と、どうつながるか

「野生では鳥も食べる」は、ヒナを与える理由にはなりません

鳥が7割という数字を見ると、飼育下でもヒナやウズラを与えたほうが自然に近いのでは、と考えたくなります。

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この記事を「小さい個体には鳥を」と読まないでください

全長70cm未満でほぼ鳥だった、という観察は、小さい個体が鳥を必要としていることの証拠ではありません。その個体が暮らしていた場所に、その大きさで飲める獲物として小鳥のヒナがいた、というだけの可能性があります。飼育下で鳥と齧歯類を与え分けて結果を比べた研究は、今回は見つけていません。餌の種類を変える判断は、当店の記事と姉妹店の記事を読んだうえで、必要なら獣医師に相談して決めてください。

資料の中で鳥食いは、栄養の必要性としてではなく、どこにいるかの結果として説明されています。論文自身が結論を「機会主義」に置いていることは、先に見たとおりです。鳥を食べる必要があった、と確かめた報告は見つかりませんでした。「必要だと示されていない」であって、「不要だと証明された」ではありません。

成分の面でも、置き換えの根拠にはなりません。Merck Veterinary Manual の丸ごとの餌の成分表で、乾物あたりの値を2つだけ並べると、粗タンパク質が成体ラット59.7%・孵化後1日のヒヨコ64.4%、粗脂肪が成体ラット26.5%・ヒヨコ24.1%、カルシウムが成体ラット2.8%・ヒヨコ1.3%です。

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この2行を「鳥と哺乳類の比較」に広げないでください

比べているのは成体ラットと孵化後1日のヒヨコという2つの品目の、6つの値だけです。鳥と哺乳類全体の栄養差でも、脂肪酸・ビタミン・微量元素まで含めた同等性でもありません。Merck 自身もこの表のすぐ上で、「分析の多くは単一の餌種について行われたもので、統計的に検証されていない。分析手法もばらつく」と断っています。

野生の観察は、哺乳類を主体にする飼育のやり方と矛盾しません

野生の餌はアフリカのネズミ類やコウモリで、飼育下の冷凍ラット・冷凍マウスとは種が違います。ただしナイジェリアの調査で出てきた餌は鳥と哺乳類だけで、昆虫や爬虫類・両生類は出ていません。哺乳類を主体にする飼育下のやり方は、この観察と矛盾しません。ここで言えるのはそこまでで、栄養として十分かどうかは、この調査が答えられる問いではありません(それは飼育下の栄養の資料が扱う話です)。

ニシキヘビ全体を見渡した2023年の比較研究も、同じ向きの話をしています。系統樹に載せた36種のうち餌の記録がある30種について体の大きさと餌の関係を調べたもので、小型の種ほど変温動物(両生類・爬虫類)に寄り、大型の種ほど恒温動物(鳥・哺乳類)に寄るという傾向が出ました。そのうえでこの論文は、同じくらいの大きさでもオーストラリアの小型ニシキヘビは変温動物中心なのに対し、アフリカのボールパイソンはそうではないと書き、理由を生息環境の餌の顔ぶれの違いに求めています。ただし、この論文が考察でボールパイソンについて引いている出典も Luiselli & Angelici 1998 です。(餌の記録は文献114本から集めたとあり、その一覧は補足資料の表S1にあります。当店はこの表を確認できていないので、ボールパイソンについて他の記録が入っている可能性は残ります。)

餌のサイズと頻度そのものは、当店の餌のサイズと頻度の記事と、姉妹店 Lil Rats の餌のサイズの選び方(ラット早見表)・給餌頻度の記事にまとめています。

野生の給餌間隔は、今回の資料からは出てきませんでした

今回たどった資料のどこにも、野生の個体が何日おきに食べているかの記録はありませんでした。ガーナの報告にあるのは、乾季にはメスの活動が落ちること、そのなかでも一部のオスは動いて食べていた(捕獲後にげっ歯類を吐き戻した個体がその証拠として挙げられています)という書き方です。

つまり、今回確認した資料からは、飼育下の給餌間隔を導けません。当店や姉妹店が書いている間隔の目安は、飼育下で積み上げられてきたものです。野生がそうしているから、という理由づけはしていません。

匂いの実験はありますが、野生の食性の裏づけにはなりません

飼育個体を使った実験も探しました。ここで紹介するのは、全文を確認できた1本——1999年の修士論文です(ネバダ大学ラスベガス校)。これが唯一の実験という意味ではありません(この論文自身が、マウスの匂いへの反応を調べた Cooper 1991 を引いています。当店はそちらの全文を確認していません)。飼育個体8頭に、紙に付けた匂いを提示して、移動量と舌の出し入れを数えたものです。実験は2回に分かれていて、1998年7月にヘビ・ハムスター・トカゲ・カエル・イモリ・香水・鳥・魚・ラット(論文はこのときの月齢を生後17か月としています)、1999年3月にマウスを提示しています。

要旨は「恒温動物の匂いのほうが大きな反応を引き出した」とまとめていますが、本文の図を見ると、魚・カエル・トカゲの匂いでも舌の出し入れは有意に増えています(移動量でも魚とカエルが有意)。「恒温動物にだけ反応した」という読み方はできません。査読論文ではなく学位論文で、8頭の飼育個体です。この記事の食性の話の裏づけには使えないので、そういう実験がある、という以上には扱いません。

なお、この論文は「自然の生息地における P. regius の食性や採餌生態を記録した研究は見つからなかった」と書いています。提出は1999年8月で、Luiselli & Angelici の報告の翌年です(執筆時に届いていたかどうかまでは分かりません)。研究が無かったことの証拠にはなりません。著者が見つけられなかった、と書いている——それ以上のことは、この一文からは言えません。

この記事が答えを出していないこと

  • 種全体の食性数字が出ているのはナイジェリア南東部の1地域・1997年の雨季中心・餌101個です。分布域は西アフリカから中央アフリカまで広がっています。2006年の総説はボールパイソンを2集団ぶん載せていますが、もう1集団の出典(Politano 1985)を当店は読めていません。Luiselli ら2007年の書籍章、同地域のヘビ群集の論文(1998年)、Barends & Naik の餌記録一覧(表S1)も未確認です

  • 鳥と哺乳類以外を食べるかどうかこの101個には入っていませんでした。食べないと明記した一次資料は見ていません

  • 樹上性の雌雄差が、食性の差を説明するか木に登っていたのがオス14頭・メス2頭だったこと自体は観察記録です。それが餌の違いを生んでいるという説明のほうが仮説で、同じ論文の中で表と考察が食い違ってもいます。トーゴの別チームは、ダニの付着量の雌雄差について「オスとメスは巣穴を共有しており、生息場所の使い方の違いでは説明しにくい」と書いています(食性差への反論ではありません)

  • 飼育下で鳥を与えるべきかどうか比べた研究が見つかりません。この記事は、野生の数字がその答えを持っていないことを示しただけです

  • 野生の給餌間隔今回確認した資料には記録がありませんでした

野生のボールパイソンがどう暮らしているかは、野生のボールパイソンはどこにいるかの記事に分布・生息環境・採取と輸出をまとめています。獲物を見つける感覚のほうはピット器官の記事・舌の記事・視力の記事に、丸呑みの体のつくりはヘビの体の構造の記事にあります。

まとめ

  • 野生の食性を数えた調査で、当店が原典にあたれたのは数えるほどでした。CITES の評価資料も食性には2文と文献1本しか割いていません
  • ナイジェリア南東部の調査(オス29頭・メス33頭、餌101個)では、餌は鳥と哺乳類だけ。オスは餌の個数の70.2%が鳥、メスは66.7%が哺乳類でした
  • 全長70cm未満はほぼ小型の鳥(ヒナと若い個体)、100cm超はほぼ小型の哺乳類。ただしこれは論文が結果を述べるのに使った区切りで、転換点を解析で求めたものではありません
  • 餌の表には、ヨウムの幼鳥、オオコウモリ2分類群、アブラヤシリス、小型の霊長類(デミドフコビトガラゴ)まで並んでいます。ただし101個のうち、属名か種名が書かれているのは22個(属を確定できない Turtus 表記の1個を含む)、科までが15個、残り64個は「鳥(種不明)」「哺乳類(種不明)」です
  • 鳥食いはオスのほうが木に登るという居場所の違いで説明されていますが、論文自身が「樹上性と鳥食いはつねに相関するわけではない」と断り、結論を「機会主義」に置いています。しかも表と考察が食い違っています
  • トーゴの農地で調べた別のチームは、「畑の齧歯類がニシキヘビにとっての主要な食物源」と書いています。ただし数えた結果ではないので、地域差を比べた結果としては読めません
  • ガーナの報告にある「ネズミ類12種」は、農地の害獣の例示で、胃の中身ではありません。同じ報告の「巣穴で一緒に見つかった動物」(カエル・ヤモリ・サソリなど)も、餌として記録されたものではありません
  • 野生の給餌間隔は、今回の資料からは出てきませんでした。飼育下の間隔の目安は、野生ではなく飼育の積み上げから来ています

野生の話は、飼育の答えをそのまま持っているわけではありません。それでも、何が分かっていないかを知っておくと、「自然界では〜だから」という理由づけに足を取られずに済みます。

参考にした資料

引用は訳文で、原文は各リンク先にあります。下の3つの節は、2026年10月17日に全文を確認したもの・要旨だけ確認したもの・原典を読めていないものに分けてあります。

全文を確認した資料

  • Luiselli L, Angelici FM. Sexual size dimorphism and natural history traits are correlated with intersexual dietary divergence in royal pythons (Python regius) from the rainforests of southeastern Nigeria. Italian Journal of Zoology. 1998;65(2):183-185(この記事の柱。オス29頭・メス33頭、延べ38回・49回、餌101個、表Iの餌一覧、木に登っていたのはオス14頭・メス2頭、考察の「機会主義」。表Iと考察でリスの性別が食い違い、メスの胃内容物の割合28.57%は自分の分母49と合いません)
  • Gorzula S, Nsiah WO, Oduro W. Survey of the Status and Management of the Royal Python (Python regius) in Ghana. CITES Secretariat, 1997(表紙に「Part 1」とあります。ネズミの巣穴とシロアリ塚で見つかること、農地のネズミ害獣12種の例示とその出典、巣穴に付随する動物相、巣穴の外にいた3頭、吐き戻しの記録、性別の取り違えの自認。Internet Archive 経由で閲覧)
  • Luiselli L. Broad geographic, taxonomic and ecological patterns of interpopulation variation in the dietary habits of snakes. Web Ecology. 2006;6:2-16(表2のボールパイソンの行。産地は「ベナン、ナイジェリア」、2集団、主な餌は哺乳類、Pianka の重複度は0.798と0.463、出典は Politano 1985 と Luiselli & Angelici 1998)
  • Toudonou CAS. Ball python Python regius. CITES 第28回動物委員会 情報文書 AC28 Inf. 4, 2015(食性は2文と文献1本、表1の「Dietary specificity: Generalist」、夜はとくにオスが樹上のニッチを使うという記述も出典は Luiselli & Angelici 1998。Internet Archive 経由で閲覧)
  • Aubret F, Bonnet X, Harris M, Maumelat S. Sex differences in body size and ectoparasite load in the ball python, Python regius. Journal of Herpetology. 2005;39(2):315-320(トーゴ・ロメ周辺、1999年1月〜2000年6月、1,250匹。調査地の節の「畑の齧歯類がニシキヘビの主要な食物源」「日中のほとんどを齧歯類の巣穴やシロアリ塚で過ごし、抱卵中のメスもそこを使う」、オスとメスが巣穴を共有するためダニの差は生息場所の違いでは説明しにくいという議論、繁殖期の移動量による説明。標本は野外の成体576匹・幼体69匹と、飼育下で孵化させた新生仔605匹)
  • Scientific assessment of risk to populations of Pythons listed by CITES as a result of trade(VKM, ノルウェー食品環境科学委員会, 2023年)(「主に齧歯類を食べる捕食者で、害獣駆除として働くこともあり、地域によっては鳥も」。出典は Toudonou 2015 と D'Cruze ら2022)
  • Barends JM, Naik H. Body size predicts prey preference but not diet breadth in pythons. Journal of Zoology. 2023;321(1):50-58(系統樹は36種、餌の記録があるのは30種。小型種ほど変温動物、大型種ほど恒温動物。考察でボールパイソンについて引いている出典は Luiselli & Angelici 1998。餌記録の一覧(表S1)は確認できていません)
  • Nutrition in Reptiles(Merck Veterinary Manual)(丸ごとの餌の成分表。成体ラットと孵化後1日のヒヨコの粗タンパク質・粗脂肪・カルシウム。分析の多くは単一の餌種で統計的に検証されていない、という但し書きつき)
  • Klein A. Responses of Python regius to animal chemosensory stimuli: Implications of foraging ecology. UNLV Retrospective Theses & Dissertations 1039, 1999(飼育個体8頭の匂い提示実験。査読論文ではありません。要旨は恒温動物の匂いへの反応が大きいとしますが、本文の図では魚・カエル・トカゲの匂いでも舌の出し入れが有意に増えています)

要旨だけ確認した資料

  • Luiselli L. Why do males and females of Python regius differ in ectoparasite load? Amphibia-Reptilia. 2006;27(3):469-471(既発表の食性データとラジオトラッキングの記録から、オスの樹上性でダニの雌雄差を説明する論考)

原典を読めていない資料

  • Politano E. Studi propedeutici sulla fauna del Delta del Fiume Niger in Nigeria. ENI Press, Milan, 1985(上記の総説がボールパイソンのもう1集団の出典として挙げている報告書)
  • Luiselli L, Akani GC, Capizzi D. Food resource partitioning of a community of snakes in a swamp rainforest of south-eastern Nigeria. Journal of Zoology. 1998;246(2):125-133(同じ地域のヘビ群集24種の食性)
  • Cooper WE Jr. Discrimination of integumentary prey chemicals and strike-induced chemosensory searching in the ball python, Python regius. Journal of Ethology. 1991;9(1):9-23(Klein 1999 が引いている実験。当店は全文も要旨も確認していません)
  • Luiselli L, Akani GC, Eniang EA, Politano E. Comparative ecology and ecological modeling of sympatric pythons, Python regius and P. sebae. In: Henderson RW, Powell R, eds. Biology of the Boas and Pythons. CPG/Biological Science Press; 2007:88-100(上記 CITES 資料の文献表より)

当店の記事・姉妹店

  • 野生のボールパイソンはどこにいる?(分布・生息環境・巣穴とシロアリ塚・採取と輸出)
  • ボールパイソンのオスとメスの違い(雌雄の大きさの差と、外見では決まらないこと)
  • ボールパイソンの拒食の原因と対策15選(餌を替える判断)
  • ボールパイソンの餌のサイズと頻度(飼育下の目安)
  • ボールパイソンのピット器官/ヘビが舌をチロチロ出す理由/ヘビの視力はどのくらい?(獲物を見つける感覚)
  • ヘビの体の構造(丸呑みの体のつくり)
  • 姉妹店 Lil Rats:餌のサイズの選び方(ラット早見表)/給餌頻度の記事
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