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ボールパイソンのパステル|ノーマルとの見分け方と、成長で色が変わる話

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パステルは、ボールパイソンのモルフの中でも古株で、いまも組み合わせの土台としてよく使われます。ただ、写真で見たパステルと実物が違って見えることがあります。

理由のひとつは年齢です。パステルの色は育つにつれて変わります。もうひとつは、ノーマルとの違いが「明るいかどうか」だけではないことです。

どこを見れば見分けられるのかを、頭・胴・腹の3か所に絞って整理します。

目次

  • 見分けるのは頭・胴・腹
    • 頭
    • 胴
    • 腹
  • 緑の目は単独の決め手になりません
  • 色は成長すると褐色に寄る
  • 遺伝のタイプとスーパーパステル
  • パステルが世に出るまで
  • 「パステル」にも系統がある
  • 組み合わせの土台として
  • まとめ
  • 参考にした資料

見分けるのは頭・胴・腹

MorphMarket の Morphpedia は、パステルを「模様を変え、色を強めるモルフ(a pattern changer and colour enhancer)」と説明し、ノーマルとの違いとして「体全体のコントラストの強い黄色」と「フック状・リング状になったエイリアンヘッド」を挙げています。

部位ごとの手がかりも書かれているので、ここでは頭・胴・腹の3か所に絞って見ていきます。

パステルをノーマルと見分ける3か所

パステルをノーマルと見分ける手がかりを頭・胴・腹の3か所に分けて示した図。緑の目は単独の決め手にならないという注記つき

頭

Morphpedia は、パステルの頭を「色の抜けた淡い黄色の冠(クラウン)と、白い唇」で見分けられるとしています。当店の図鑑も「明褐色のような色褪せた淡い黄色」「ヘッドスタンプは色抜けし白っぽい」としていて、同じところを見ています。

ノーマルの頭は、Morphpedia によれば「黒か濃い褐色で、鼻孔の後ろあたりから両側にストライプが入る」もので、冠の部分に明るい褐色の斑が乗ります。パステルはそこがさらに抜けるので、頭だけ見ても淡く見える傾向があります。ただしどれも典型的な手がかりで、外見だけで確定できるとは限りません。

パステルの頭(当店のモルフ図鑑より)

パステルの頭部。色の抜けた淡い黄色の冠と白っぽい唇が見える

胴

先に用語を。エイリアンヘッドとは、背面から体側に並ぶ「明るい色の斑紋」のことです。中に暗色の点が入り、宇宙人の顔に見えることからこう呼ばれます。周囲を埋める黒〜濃褐色のほうは「パズルのような模様」と呼び分けます(Morphpedia のノーマルの記載は「黒か濃褐色のパズル状の模様に、明るい褐色〜タンの斑紋(エイリアンヘッド)」としています)。

そのうえで、胴の手がかりは2つあります。

  • エイリアンヘッドの中の鱗が、明るい黄色になるMorphpedia の記載は「エイリアンヘッドの中にある明るい黄色の鱗」。パステルは色を強めるモルフなので、明色部が抜けるのではなく黄色が鮮やかに出ます

  • 黒い部分にブラッシング(色の抜け)が入るMorphpedia は別項で「パステルは全身にブラッシングが出る。多くはエイリアンヘッドの輪郭と輪郭の“あいだ”に」と書いています。暗い部分がベタ塗りでなくなる、ということです

Morphpedia は色に加えて、エイリアンヘッドがフック状・リング状になることも特徴として挙げています。当店の図鑑が言う「黒い穴が1つ開いた栓抜きやリングのような表現」は、これと同じものを指しています。

パステルの胴(当店のモルフ図鑑より)

パステルの胴。明るい黄色のエイリアンヘッドと、黒い部分に入ったブラッシング

腹

Morphpedia は、パステルの腹を「ノーマルに見られる線状の跡や点に比べて、非常にすっきりしている」とし、さらに「腹の両脇から、明るい黄色の“炎”が黒い模様を貫いて体側へ立ち上がる」と書いています。

当店の図鑑も「ノーマルと比べ斑点が少なくすっきり」「体色の影響で少し黄色みを帯びる」としています。無理に姿勢を変えず、腹面が見えるときに確認してください。分かりやすい部分です。

緑の目は単独の決め手になりません

「パステルは目が緑」とよく言われます。Morphpedia も頭の特徴に「緑の目」を挙げ、World of Ball Pythons も冒頭に書いています。2つの資料が一致しているので、特徴であること自体は確かです。

ただし、それだけで判断はできません。Morphpedia は同じ文の中で「まれにノーマルでも緑の目が出ることがあるので、その点は念頭に置いてください」と断っています。当店の図鑑も「100%パステルの特徴だと言い切れないようなのでご注意ください」と同じ注意を書いています。

Morphpedia が緑の目に与えている役割は「同じクラッチの中で見分ける助けになる」というもので、単独の判定基準ではありません。

色は成長すると褐色に寄る

World of Ball Pythons は、パステルについて「ベビーのときは強い黄色で、歳をとるにつれて褐色に寄る傾向がある」としています。Morphpedia は頭について「生まれたときは色の抜けた淡い黄色で、成長とともに濃くなる。ただし淡いまま保つ個体もいる」と書いています。

この2つは、説明している部位が違います。WOBP は体全体の黄色、Morphpedia は頭についての記述です。体が鮮やかな黄色で頭は淡い、というのは両立します。そして「加齢で色が濃くなる・褐色に寄る」という向きは共通です。

つまり、ベビーのときの写真なら、成長後も同じ色とは限りません。写真を見るときは、いつ撮られたものかを意識してください。

遺伝のタイプとスーパーパステル

パステルは不完全優性です(Morphpedia・World of Ball Pythons とも Incomplete Dominant と記載。当店の図鑑も同じ)。遺伝子を1つ持てば表現が出て、2つ揃うとスーパーパステルになります。

当店の図鑑は、スーパーパステルについて「体色がさらに明るくなり、背面や体側の色が抜けた部分は白色になる。模様は小さく割れる」としています。

不完全優性という言葉の整理は、モルフとは?の記事にあります。

パステルが世に出るまで

Morphpedia が、成り立ちを具体的に書いています。

  • 1994年ごろGreg Graziani が、爬虫類の輸入業者から1匹のオスを入手します

  • その翌年エキスポで、NERD の Kevin McCurley が同じ見た目のメスを持っていることを知ります。二人とも遺伝性を確信していましたが、どちらも売る気はありませんでした

  • 1997年Graziani が自分の「Type 2 ジャングル」をノーマルのメスに掛けます。ヘテロばかりの子を予想していたところ、7月22日に孵化した7匹は全頭が親と同じ表現でした。ほぼ同じころ、Kevin のメスからも3卵のうち1匹が孵り、やはり同じ表現でした

  • その後Kevin が「パステル ジャングル」と呼び始め、その名が定着します。やがて「ジャングル」が外れ、今日の「パステル」になりました

Morphpedia のインフォボックスには作出年として1994年とありますが、History が書いているのは「1994年ごろに個体を入手し、1997年に繁殖した」という流れです。繁殖で遺伝性が示された年については、World of Ball Pythons(1997年・Kevin McCurley)とも当店の図鑑(1997年)とも一致します。

なお当店の図鑑は、1999年ごろに NERD がスーパーパステルの作出に成功し、それが業界に衝撃を与えたとも書いています。ただしこの経緯は外部の2資料には見当たらず、裏付けは取れていません。

「パステル」にも系統がある

Morphpedia は「この25年ほどのあいだに、野生個体から複数のパステルの系統がホビーに持ち込まれてきた」とし、確立した系統を挙げています。World of Ball Pythons も「パステルにはいくつかのラインが存在する」と書いています。

  • Pastel JungleNERD / 1997年

  • Lemon Pastel(NERD の2本目の系統)NERD / 2000年。Morphpedia はパステルの別名としても「Lemon Pastel」を挙げています

  • Citrus PastelAmir Soleymani / 2002年

  • Bell Line/Morton Wright Line年と作出者の記載はありません

同じ「パステル」でも出方に幅があるのは、このためでもあります。

組み合わせの土台として

パステルは、単体よりも組み合わせの素材として使われることが多いモルフです。Morphpedia が「色を強める」と書いているとおり、ほかのモルフに重ねたときの振れ幅が大きいからです。

ひとつ注意があります。パステルの定番の組み合わせには、スパイダーが入るものが少なくありません(バンブルビー、キラービーなど)。名前を見ただけではスパイダーが入っていると分かりません。スパイダーには神経症状(ウォブル)の問題があるので、組む前にスパイダーとウォブルの記事を読んでください。

どの組み合わせで何が出るかは、当店のモルフ計算機で試せます。パステル同士を掛けたときにスーパーパステルが出る確率も計算できます。

まとめ

  • エイリアンヘッドは「明るい色の斑紋」パステルではその中の鱗が明るい黄色になり、周囲の黒い部分にブラッシングが入ります。形がフック状・リング状になることも特徴に挙げられています

  • 緑の目は単独の決め手にならないMorphpedia も当店の図鑑も「ノーマルでも出ることがある」と注記しています

  • 色は成長すると褐色に寄るWOBP は体全体、Morphpedia は頭について書いていますが、加齢で濃くなる向きは共通です

  • 系統が複数あるPastel Jungle(1997年)、Lemon Pastel(2000年)、Citrus Pastel(2002年)、Bell Line、Morton Wright Line。同じ「パステル」でも出方に幅があります

参考にした資料

  • MorphMarket Morphpedia「Pastel」(2026年9月14日閲覧。ページの更新日は2025年2月5日)
  • MorphMarket Morphpedia「Normal」(2026年9月14日閲覧)
  • World of Ball Pythons「Pastel」(2026年9月14日閲覧)
  • LilBalls モルフ図鑑「パステル」

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