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ボールパイソンの脱皮する頻度と脱皮に必要な時間とは?【初心者向けガイド】

2023年06月17日

eyecatch

・ボールパイソンの脱皮頻度はどのくらいですか?
・ボールパイソンの脱皮には時間がかかりますか?
このような疑問をお持ちではないでしょうか?

実際、成体のボールパイソンはおよそ4〜6週間ごと、幼体のボールパイソンは3〜4週間ごとに脱皮します。
ボールパイソンは、ペットスネークとして人気を博しており、初心者でも飼いやすいペットといわれています。
脱皮の頻度や時間を把握することは、初心者・経験豊富な方に関わらず、ヘビを正しく飼育するうえで重要です。
こちらの記事では、ボールパイソンの脱皮の頻度・時間に加えて脱皮期間のケアに関するヒントやテクニックを紹介しています。
ペットとしてボールパイソンを検討している方には必須の知識なので、ぜひ参考にしてみてください。

ボールパイソンが脱皮を繰り返す理由


ボールパイソンの脱皮は成長するために必要不可欠で、皮膚の健康維持にもつながります。

脱皮は、古い皮膚を新しい皮膚に入れ替える重要な過程です。脱皮を始める前に皮膚の下で新しい皮膚を作り、古い外皮が剥がれます。

ボールパイソンの古い皮膚は柔軟性を失うだけでなく、皮膚の表面に傷や感染物が付着すれば、皮膚疾患のリスクになりかねません。

脱皮はボールパイソンの成長に必要な栄養や、酸素を新しい皮膚に供給するために重要な行動です。

また皮膚を清潔に保ち、感染や寄生虫のリスクを軽減する役割も果たします。

つまり、ボールパイソンの脱皮は成長と健康の両方を守っているのです。

ボールパイソンの脱皮頻度と周期

成体のボールパイソンは通常、4〜6週間ごとに脱皮します。

脱皮の頻度は成長段階によって異なり、特に幼体のボールパイソンは成長のピークなので、成体よりも脱皮が早いです。

目安として、幼体のボールパイソンは30日(3〜4週間)ごとに脱皮します。幼体時は成長が早く、体のサイズが急速に変化するためです。

一方、成体になると45日から60日に1回のペースで脱皮をおこないます。
ボールパイソンは通常、2歳から5歳の間に成熟し、ピークを越すと成長が落ち着きます。
安定したサイズに達することで脱皮の頻度と成長率が低下するからです。

ただし、個体差や環境によっては、成体でも脱皮頻度が多い場合もあります。
例えば、感染症や外傷がある場合、ボールパイソンは通常と比べて脱皮の頻度が早いです。一方で、正常に成長していない場合は、1年に2.3回しか脱皮しないこともあります。

ボールパイソンの脱皮タイミングを知る方法

まず、ボールパイソンが脱皮をする兆候を知ることが重要です。

主な兆候は、以下の3つです。
①腹部の色がピンク色に変わる
②皮膚がくすんで色あせた見た目になる
③目が白濁して不透明になる

以上の予兆は、ボールパイソンが脱皮の準備をしているサインです。

脱皮の準備段階で、ボールパイソンは目が白濁して青みを帯びます。前兆が現れてくると目が見えない状態となり、不機嫌になって引きこもりやすいといわれています。

準備段階を経て、目がクリアになると36〜72時間以内に脱皮がおこなわれる傾向です。

しかし脱皮の兆候は目立ちにくいため、ヘビの行動や外見の変化を注意深く観察する必要があります。

ボールパイソンにとって脱皮は痛みを伴うのか

ボールパイソンにとって脱皮は生理的なプロセスであり、一般的には痛みを伴いません。古い皮膚と新しい皮膚の間に水分層が形成されることで、スムーズに脱皮がおこなわれます。

しかし、脱皮中のボールパイソンはストレスがかかるため、イライラや敏感になる場合もあります。

自然に防御本能が働くため、触れたり扱ったりすることに不快感を抱き、ときには攻撃的になるでしょう。

脱皮中はボールパイソンをそっと見守り、ストレスを最小限に抑えるように意識しましょう。

ボールパイソンの脱皮時のケア方法


ボールパイソンの脱皮時におこなうべきケアは以下の4つです。

①湿度の維持
②水入り容器の追加
③触れない
④ケージの清潔保持

ボールパイソンの脱皮に備えて、ぜひ参考にしましょう。

湿度の維持

脱皮時には適切な湿度を維持することが重要です。湿度は50〜70%に設定して、ヘビの皮膚がスムーズに脱皮できるようにします。

湿度計を使用することで、ケージ内の湿度調整がしやすくなります。

万が一、ケージ内の湿度が50%を下回った場合には、霧吹きや加湿器を使って湿度を上げましょう。

霧吹きで湿度を上げる際は、直接ボールパイソンの体に霧吹きをかけるのではなく、ケージ内に向けて霧吹きします。

ボールパイソンは自分で湿った場所に移動して水分を吸収するため、霧吹き後はボールパイソンの行動を観察して状態を確認しましょう。


また、床材をヤシガラ(ハスクチップ)などに変えて、安定した湿度を保つなども有効な手段です。ヤシガラは、ペットシーツなどに比べ保湿性に優れた床材です。

水入り容器の追加

ボールパイソンのケージ内に、水入り容器を置くこともおすすめです。

飲み水と兼用もできるので、ボールパイソンが全身を浸けられる程度に大きめの容器を用意してあげてもいいと思います。
ただ、全身が完全に浸かる状態だと個体への負担にもなるため、水量は適度に保ちます。

ボールパイソンは、脱皮後には通常よりも多くの水を摂取する傾向があります。
脱皮前から十分な水を準備しておき、必要に応じて補充すると良いでしょう。

また個体によっては、水中での排泄も考えられるので、1週間に1度が水交換の目安です。

触れない

ボールパイソンが脱皮段階に入ったら、触らないようにそっとしておきましょう。

先述した通り、脱皮はヘビにとってストレスの多い時期です。
敏感な状態なので脱皮中にハンドリングなどをすると、攻撃的になる可能性もあります。
脱皮を少しでもスムーズにおこなってもらうには、ヘビをそっと見守ることです。

外部からの刺激やストレスを最小限に抑えて、脱皮しやすい環境を整えましょう。

ケージの清潔保持

ボールパイソンが脱皮を終えると、ケージ内には余分な皮膚が残ります。脱皮後の余分な皮膚を取り除いて、ケージ内の清潔にしておくことも大切です。

ヘビの皮膚はきれいに剥がれることが理想ですが、完全に剥がれなかったり、一部残ったりすることもあります。

余分な皮膚を取り除くためには、手袋を装着して作業します。余分な皮膚を手で取り除く際、糞便がないかもチェックして同時に清掃しましょう。

ボールパイソンは脱皮後に、通常よりも頻繁に排便する傾向があります。
清掃に合わせて床材なども除菌や洗浄して、定期的なメンテナンスで清潔な状態を維持しましょう。

ボールパイソンの脱皮に要する時間


通常、ボールパイソンの脱皮全体のプロセスは14日未満で完了します。
まず目安として、ボールパイソンは脱皮前の1〜2週間が準備段階です。

この期間中に皮膚はくすんで暗くなり、腹部はピンク色に変わります。そして、最後に目が白濁して不透明になっていきます。

目がクリアになった後、72時間以内にボールパイソンは皮膚を脱皮するはずです。
だんだんと全体の皮膚を剥がしていき、新しい皮膚が現れてきます。

ただし、脱皮の完了までの時間は個体や環境によって異なることに注意してください。

ボールパイソンの健康状態や成長段階、温度や湿度の条件などが脱皮中に影響を与える可能性があることを知っておきましょう。

ボールパイソンの脱皮をサポートする方法


万が一、ボールパイソンの脱皮がうまくいかない場合はサポートしましょう。
方法としては、以下の3つです。

➀ぬるま湯に浸す
➁キッチンペーパーの使用
③獣医さんに相談する

順番に解説しているので、ぜひ参考にしましょう。

ぬるま湯に浸す(温浴)

もしボールパイソンが不完全に脱皮しており、長い間脱皮殻が残っている場合、浅いぬるま湯に浸し脱皮殻が取れやすくしてあげる方法があります。

これを、業界的には「温浴」と呼んだりします。
しかし、温浴に対しての考え方は人それぞれで、不要だと考える人もいますので、あくまでこのような脱皮サポートも存在するんだという程度で捉えて頂けると良いかなと思います。
温浴の具体的な手順は以下のとおりです。
1. ぬるま湯の用意
ボールパイソンをゆったりと入れることができる容器に、30℃ 〜 34℃ほどのぬるま湯を用意します。水の量は、多すぎなければボールパイソンの体が浸かる程度で大丈夫です。
※ぬるま湯を用意する際は、必ず温度計で測るようにしましょう。

2. ぬるま湯に入れる
約10分〜20分ほど、ボールパイソンをぬるま湯に入れてあげましょう。
ボールパイソンが動き回って逃げ出してしまうようであれば、息ができる蓋を閉じてあげます。
※ぬるま湯に入れている間は、目を離さずにしてください。


3. ふやけた皮をゆっくり剥がす
ボールパイソンの皮がふやけてきたら、ゆっくりと剥がしてください。
※顔付近の皮は、無理に剥がそうとせず、ボールパイソンの状態を見て剥がしてください。

キッチンペーパーの使用

ボールパイソンの脱皮をサポートする別の方法としては、数層のキッチンペーパーを湿らせ、床材として使用する方法も有効です。

まず、数枚のキッチンペーパーを水で濡らして適度な湿り具合にしましょう。
次に、湿ったキッチンペーパーをケージ内に敷き詰めます。


湿った環境の中で動き回ることで、古い皮膚は剥がれやすくなります。
キッチンペーパーは安価で手に入るので、飼育コストも抑えられる点もメリットといえるでしょう。

獣医に相談する

自宅でヘビの脱皮をサポートして、1〜2週間経っても余分な皮膚が残っている場合は、獣医に連れて行きましょう。

余分な皮膚の除去と同時にヘビの健康状態を調べ、他の健康問題がないかも確認してもらえます。

脱皮の困難さや余分な皮膚の問題は、栄養不足や感染症などの健康上の問題の兆候かもしれません。獣医にボールパイソンの体調や栄養状態を調べてもらい、必要な治療や管理方法のアドバイスをもらいましょう。

よくある質問


Q1: ボールパイソンはどれくらいの頻度で脱皮しますか?
A1: 一般的には、ボールパイソンは成長に応じて年に3〜6回程度脱皮します。

Q2: ボールパイソンの脱皮が始まるタイミングはどのように知れますか?
A2: 脱皮が近づいているボールパイソンは、目の色が濁ったり、皮膚がくすんだ色合いになったりします。

Q3: ボールパイソンが脱皮する際、痛みは感じるのでしょうか?
A3: 一般的には、ボールパイソンは脱皮中に痛みを感じることはありません。脱皮はボールパイソンが成長するうえでの自然な過程です。

Q4: ボールパイソンの脱皮時に注意すべきケア方法はありますか?
A4: 脱皮時には適切な湿度を維持しましょう。また、ケージ内の水の供給や清潔さも大切です。

Q5: ボールパイソンの脱皮にはどれくらいの時間がかかりますか?
A5: ボールパイソンの脱皮には通常数日から1週間程度、時間がかかります。しかし、個体によって異なることもあるので、個体の様子を観察しておきましょう。

まとめ


今回は、ボールパイソンの脱皮頻度と脱皮に必要な時間、サポート方法などを幅広く紹介しました。

ボールパイソンは通常、3〜6週間ごとに脱皮しますが、幼体のほうが成体よりも頻繁に脱皮します。

ヘビが脱皮をする前兆のサインに注意し、不完全な脱皮が起きた場合は、上述した対処法を試してみてください。

もし、ボールパイソンが完全に脱皮できない場合は、獣医に連れて行って健康上の問題がないか確認することも大切です。

正しい飼育方法を知って、楽しく関わっていきましょう。

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